吃音の原因について
吃音の原因は未だ解明に至っていません。⇒Wikipedia吃音症
長年不明だった吃音の原因を、発声法研究者として、私なりにまとめてみました。
吃音の原因は口呼吸であると仮定します。
一方、口呼吸の原因は、現代語(日本語)のせいだと考えています。
ですので、吃音の原因は、現代語(声を出す場所)にあると思っています。
イタリアの吃音協会
イタリアの吃音協会のHPもご覧ください。
その中の「(吃音)治療の紹介」に従うと、私の考えが本論から逸脱してないことがわかります。
吃音の原因は遺伝性であるけれど、医療や社会の早期介入によって、未就学児のうちに完全な回復を目指せることが、語られていました。
最近の研究では、早期吃音の兆候を示す4人に3人の子供が吃音を開始してから約1年以内に流暢さを回復することを示しています、、、
、、、最高の専門家でさえ、彼らが従うすべての子供の成功を保証することはできませんが、吃音の子供の大半は、彼らのスピーチを大幅に改善することができることを知っています。
、、、治療が彼の吃音を完全に排除しない場合でも、吃音が彼の人生の大きな問題にならないように、あなたの子供を助ける多くの方法があります。
A.I.B.A.com ONLUS ホーム>吃音>未就学児の中で>両親のために
吃音の影響は、今まで一般的に、過小評価されてきたようですが、慢性的な吃音(連発性⇒難発性)に発展する前に、マニュアルや社会の関与によって時間の経過を待たずに、回復させることが肝心であるようです。
現在、イタリアの吃音協会では、日本や米国ほどの活発な活動は既になく、国内よりもむしろ国外に向けて、対策の資料や治療法の案内をオンラインや書籍によって奉仕されているようでした。
参考:声帯の動画から見る、鼻腔の内圧の声
声(息)の場所と言葉の関係について/鼻腔の内圧は負けない力
鼻呼吸と口呼吸
人は、何か考え事をしたり、無意識で活動しているとき、鼻呼吸をしています。
しかし、油断をするとつい口呼吸になってしまいます。
たとえば、人前で緊張するときや、ネガティブな気持に襲われるときなどが、わかりやすいです。
あるいは、貧血や胃腸障害など、体調のすぐれないときも、息は沈みやすいでしょう。
ある歯科のデータでは、10代から20代のほとんどが、口呼吸であるそうです。
私の補聴器店の高齢者の方々も、口呼吸で悩まれていると伺っています。
どうしてこんなに、口呼吸の人口が多いのでしょうか?
私は、現代語(日本語)を話すときに、口呼吸になることを報告したいと思います。
参考:口呼吸はこわい! 即!鼻呼吸に切り替える法
口呼吸と吃音
私は、口呼吸の弊害で起こる症状のひとつが「吃音」であると考えています。
参考:声で変わる健康
吃音の方々は、本読みの時に意識をして、口呼吸になってしまうのではと考えます。
なぜ口呼吸はおこるのか
なぜ口呼吸はおこるのか、もう一度呼吸のメカニズムをおさらいしましょう。
鼻呼吸をして、鼻腔まで息を吸い上げます。
その息の上に、声を乗せるように発声すると、鼻呼吸は保持されます。参考:(5)声を出す場所のイメージ
しかし、口やのどで声を出そうとするとどうなるでしょうか。
鼻腔まで吸い上げていた息を口腔に落とさねばいけません。
声帯筋肉及びその周りの筋肉に力が入ってしまい、苦しいと思います。
口やのどで声を出してしまったら、もうすぐには鼻呼吸に戻れません。
演説中であれば、演説中の鼻呼吸への回復は、難しいと言って間違いないでしょう。
参考:咳の場所をかえて痰を切る
参考:のどが疲れない音読法を推奨していますが、ことばの「言い換え」によって吃音を逃れる方法ができずに、かえって逆効果のこともあります。音読のやり方によって、吃音症状が改善されない場合は、子音はなるべく軽く短く顔の表面で発音する事、つまり、母音と同時、あるいは母音を先に発音してしまうくらいの要領で、音読をしていただけたらと希望するものです。
なぜ口から声を出そうとするのか
なぜ本読みの時になると、口から、発声しようとしてしまうのか、考えてみましょう。
参考: (6)息の通り道 (9)息の持ち上げ方 (1)声の出し方
現代語の確認
現代語というのは、日本語の50音と子音の「ん」で成り立っています。
子音の「ん」を除いて、すべてに母音(あ、い、う、え、お)の音が付いています。
例:「か」→「K」+あ
母音と子音
誰でも、生まれたとき、エーンと泣くなど、母音を鼻腔や副鼻腔でならす本能を持っています。
読んだり書いたりできない頃の事であり、南欧式発声法の基礎にもなっています。
母音は口蓋の上でならし、子音は口(舌、歯、くちびる)でならすように教わります。
日本語の表記
日本語では、「か」を「Ka」と表記していません。
それで、母音と子音について、理解しにくくなっています。
「Ka」とかかれていたら、母音と子音を区別する発音の助けになっているはずです。
母音と子音の発音のしかたの違い
「K」は口蓋の下で、「a」は口蓋の上で発音するものです。
先に発音する「K」の方に、注意がむいてしまいます。
息や声が「K」に引っ張られて、「a」または「あ」を口やのどで発音してしまいます。
参考:(4)2階で声を出す
口から発声する言葉の出現
「真逆」「逆切れ」「人流」「前倒し」などの造語を考えてみましょう。
これらの言葉は、使われるようになった当時、物議をかもしてきました。
あごを開けずに、口から発声する言葉になると思います。
このような言葉を話す習慣を持っているとどうなるでしょうか。
参考:聞こえるのにわからない
鼻腔に入らない息はどうなるのか~口呼吸と本読み
鼻呼吸をしていても、口やのどで発声をする(咳も)癖のある場合どうなるでしょう。
息は、鼻腔まで到達しないうちに、喉頭(のど)あたりで渋滞してしまいます。
声帯の筋肉やその周りの筋肉を、痙攣(けいれん)させることになるのでは、、、
その痙攣は、発声器官(肺、喉頭、鼻腔、口腔)に及ぶこともあるでしょう。
発声器官とは、舌、歯、くちびるなどの部位です。
これが、吃音症状であると考えるゆえんです。
吃音の原因
つまり、母音と子音と分けないで表記されていて、母音を口蓋の下で発声させる誘導をしている現代語が原因で、吃音になってしまうという事です。
言友会での質問にお答えして
①寒さや心理的要因について、体に力が入ることにより、口呼吸になるのですか?
はい、寒さや心理的要因で体に力が入ると、無理な姿勢となります。息の通り道が安定できません。息を口蓋の上までたっぷりと運べなくなるため、口呼吸になってしまいます。鼻とのどがつながりにくくなります。
②声帯に力が入ると筋肉が緊張して声が出なくなるのですか?
声帯やその周りの筋肉に力が入っていると、声を出せば声帯炎になります。声がでないままであれば、息がのどで渋滞して、どこかの筋肉や器官が痙攣することになると思われます。
③お腹や鼻腔の力を使って、声帯に力を入れずに声を出すアプローチなのですか?
体の力を抜いて、鼻腔や副鼻腔で声を響かせると、自然にお腹に力が入ります。(声帯は共鳴するけれど)声帯から離れた遠い鼻の上で声は出ます。上がっていたり、心が緊張したりしても、問題なく声は出てしまうでしょう。
④鼻腔と声帯の間の距離を確認されてください!
声帯の位置を確認ください。
肺から噴水のように息がふき出しています。声帯、声門の間を通過しています。(吸気は省略しています)
発声時声門が閉じ、その中の声帯は共鳴します。この図で声帯は閉じていますが、実際には開閉が連続しています。声帯の筋肉やその周りの筋肉を使って発声すると、噴き上げている息の道が狭まったり浮腫んだりし声帯がしっかりと閉じられなくなったりします。
発声は、声帯とはかけ離れた所、骨に囲まれている息のたまり場所、つまり鼻腔や副鼻腔で響かせて声を出します。声帯の筋肉は、自分で鳴らすものではありません。
声帯の筋肉やその周りの筋肉を使って声を出そうとすると、筋肉が炎症をおこしたり、息が渋滞して発声器官が痙攣したりします。
顎顔面矯正のセミナーを聞いたこと
FBのセミナーで、「顎顔面矯正」の話を聞いてみました。(5歳~7歳児対象)
現在子供たちの間で、鼻づまり、歯並び、姿勢(骨格)の問題があるそうです。
それで、大人の永久的な骨格が決まる頃、上顎急速拡大装置を口にはめるそうです。狭い硬口蓋を広くし、舌を動かしやすくするのだそうです。
あごの発達と本読み
顎の発達が始まる頃は、子供の呼吸は不安定になりそうです。
安定した鼻呼吸でなければ、本読みはうまくできないですね。
吃音を発症する人は、国語の本読みが引き金になることが多いそうです。
(例外:音読が苦痛でない吃音者の方もおられるようです。自分の発音が不明瞭でも、文字があるという安心感がある、という理由のようです。)
あごの発達時口呼吸になり、本読みがしづらくなると言えなくないでしょうか。
本読みと鼻呼吸
安定した鼻呼吸をしていれば、息の圧力が自然に上顎を押し広げることは可能ではないでしょうか。⇒口呼吸はこわい?
安定した鼻呼吸により、鼻腔が広がり、舌の活動範囲が広がり、たとえあごが発達中でも、息がつらい状態が緩和するのではないでしょうか。
本読みをしても、鼻呼吸が安定していれば、最後まできちんと読めそうです。
顎顔面矯正手術が必要な環境とは?
それでは、顎顔面の矯正手術が必要になってしまう環境とはなんでしょうか?
日本語のことばの発音を覚え始めることが原因ではないかと思われるのです。
ここで、勘違いされないでほしいこと、それは、単純に日本語が悪いのではございません。
さまざまの時代背景
文明の利器が発明され、家事労働が楽になった事、
自動車、飛行機等の移動手段ができたこと、
欧米の食生活が輸入され、ファーストフードが食べられるようになったこと、
コンビニができたこと、固いものをたべなくなったこと、
子供の遊びはゲームが主流となり、友達と外で遊ばなくなったこと、そして昨今のIT技術によるデジタル化、
このような、さまざまな環境の変化も、見逃すわけには参りませんね。
昔のような発声に返り、呼吸法を取り戻すことで、十分な解決策を導くことが不可能ではないと、切に訴えるものです。⇒ミッション
たとえば、アナログ時代の発声法。⇒(4)口蓋の上で声を出す
このブログに従って、かつての声の出し方を、みなさまに思い出していただきたいです。
最近の歌やメディアについて気になること(質問にお答えして)
若者が早口で曲に言葉をつけて歌う現象については、危惧すべき案件です。「母音のみが音符をあてられる」声楽の原則に反し、「ん」をのどで歌っています。それがまた、普通であるような風潮も起きています。
「ん」を伸ばす音が、視聴者によく聞こえる理由としては、2つ考えられます。①歌手が声帯筋肉を酷使して歌っていること。②メディアが良く聴こえるように子音を際立たせる音声調整をしていること、です。参考:話してるけど伝わらない
この風潮を放っておくと、深い健康的な鼻呼吸の声は、どんどん消えてゆくでしょう。
人間の声はもともと立体的で、アナログ的で、多様で、百花繚乱の音声であると、どうしても、お伝えしたいです。