【息の持ち上げ方】~『ん』にきこえる?
今日は、補聴器の適合検査(弁別検査ともいう)をした時の、
ちょっと心配な案件についてかきます。
『う』を聞き取ってもらうときに、多くの人が『ん』と聞こえてしまうことです。
一文字でする会話は、あまりありませんから、聞き取りには、そんなことは心配しなくてよいのかもしれません。
ただ、聞き取りに支障がなくても、違いをわかった方が、呼吸のためには、プラスかもしれません。
とりあえず、ふつうに『う』と『ん』が区別できたら、大丈夫だと思います。
『う』は息の高いところで発音され、『ん』も高いところなのですが、口の形がかわります。
沈んでいる声を持ち上げるには、まず息のポジションを高くとらなければいけません。⇒増えている「声の病気」のこと
「息の持ち上げ方」について簡単にお伝えしますね。
声を出す前に顔をつくる
まず、出す声を考えて、その出す声の顔をつくります。
(顔の作り方は(5)声を出す場所のイメージをご覧ください。)
それから、息の柱を整えるのですが、ゆっくりで大丈夫ですので、頭蓋骨をあけて、
(頭蓋骨の開け方は(2)息をはらんで力抜くことをご覧ください。)
鼻腔の位置を確かめて、(鼻腔の位置は(1)声の出し方をご覧ください)
小さな声で、『う』といってみてください。
見得を切って~息を持ち上げる
声が出てこないようでしたら、ちょっと軽く首を振って、首を回す感じで、『う』と言ってみてください。(見得を切る感じで)

ポイントは、からだの力をぬくことです。
うさぎ、うなぎ、うま、うし、うた、うち、うきうき、、、
歌うようにしゃべってみてください。
無理に出そうと頑張ると、声帯の筋肉を痛めてしまいます。気をつけてやってください。⇒のどが疲れない音読法
大丈夫です。気づけばだんだんと、修正されてゆくものです。
ここで大切なことは、声は大きくても小さくても大丈夫ですが、必ず、のどから離れているものだと、確認できることです。
分かるまで少々時間がかかるかもしれませんが、
わかってしまえば、どうってことはないと気づかれるかもしれません。
根気よくがんばりましょう。
※念のため、参考までにこちらもご覧ください。いろいろな見得のイラストがみられます。歌舞伎の「見得」の意味や種類とは?知っておきたい歌舞伎のルール
感嘆詞を使うこと
最近の傾向として、会話の中で、「あらまあ!」とか、「ふーん」とか、「へえー」という、驚きや感動を表すことばが、昔より減っている気がしています。
若い方でも女性でも、貧血とかうつ病とか、病気の方も多いですし、絵文字で済ませてしまう方法もあるようですね。⇒声で変わる健康
鼻腔・副鼻腔に声を集めるのに成功すると、やたらに、声を出したくなってくるはずです。
何かを思いついてウキウキすることが増えてきたら、ぜひ、メールではなく、電話でも、TV電話でも、短い会話を想定して、友達や誰かに会いに出かけてください。
もちろん、マスクをつけて、新型コロナウイルスに十分留意されて頂きたいと思います。
それで、感嘆詞をじゃんじゃん連発されていただきたいと思います。
感嘆詞を発するのに自信のない方は、あらかじめ鏡の前で練習なさればいいと思います。
会話の上手な人、声に自信のある人、人気者は、往々にして、陰で懸命に練習されているものです。
感嘆詞が板についてくるまで、鼻腔・副鼻腔に息を集めて、役者のように練習をしてください。
追記
「ん」について調べた所、阿吽(あうん)の呼吸と関係があり、50音図の配列は、仏教伝来の当時、古代インドの音声研究によって生み出されたことがわかりました。(言語学の基礎:五十音図の謎)
論文中に、「あかさたな」の順番は、、、、のどの奥から口の前の方という配列になっています、とあるので、もともとのどの奥を使う発音であったようにかかれておりました。
声はのどの奥で発音するほど、苦しくなるので、のどを使う子音を短く発音することによって、人に伝わりやすく、自分も気持ちの良い発音を実現できると信じています。→(4)2階で声を出す