伝わる発声法に関するコメントです
【話してるけど伝わらない】~口跡(発音)の不正確さ
今日は、発音のトラブルがあり、あいまいな口跡(こうせき)(滑舌)をされていた方に、発声法をお伝えしたことを書きます。
補聴器店にこられた、ある方のお話ですが、話しているのに家族にうまく伝わっていないと、お嘆きでした。⇒(4)口蓋の上で声を出す
「ちゃんと聞こえているので、家族と話しているけれど、時々言葉を間違われるので困る」とのことでした。⇒(9)息の持ち上げ方
正しい呼吸法が大事と感じ、この機会に声についてお話してみることにしました。⇒声で変わる健康
97歳のその方に、まず音読をしていただきました。
⇒のどが疲れない音読法
言葉をたべている!?
口呼吸で会話をされる方の言葉は、息を吐きながら話されることがあるので、
言葉がまるで、口の中に飲み込まれているかような、食べられているかような風になっています。
吃音の用語でいうなら、クラッタリングでしょうか。⇒吃音の原因について
ゆでたてのホクホクのジャガイモを、口の中にいれてみたら、美味しいけれど熱くて熱くて!そんな感じになっているイメージです。
これは、過呼吸と口呼吸の両方だと思われます。つまり、吐きすぎ吸い過ぎ状態です。
周囲が聞き取るのは、困難かもしれず、そのため聞き間違いがおこることは想像できました。
音読の結果
1分で読むところを、1分50秒かかって、音読は終了しました。
はじめての挑戦でしたが、本当によくがんばってくださいました。記事ベージ、走れメロスの抜粋でした。
その後、時間があったので、発声器官のリハビリを15分ほどしていただきました。
声を出す場所がわかり、舌がすぐに思い通りになり、息をとめられる瞬間を何度も作る事が出来ました。
鼻腔で声を出す理由も理解されて、腹式呼吸であることも確かめられました。⇒FAQ
途中いちども咳をされなかったし、ずっと口をあけたままでいられたし、つばをのみこむ不自由さも、全然感じられませんでした。
ずごかったのです。その方の改善されたいという熱意と、生命力(体力)です。⇒ミッション
ただ、15分間ですがとてもお疲れになってしまわれて、分泌物が口の中におりてくるところまでには、至りませんでした。
そのあと、うれしいことに、その方の言葉や息がすこし整い、とても饒舌になられてゆきました。
戦争中の爆撃で耳を傷めたお話をされてゆかれました。⇒(7)声の回し方
望まれる体制づくり
こういうトレーニングを繰り返し毎日していると、確実に息は整い、相手に伝わる発声法が、定着するのではないかという、希望的観測があります。
言葉の一言一言をもれなく、鼻腔・副鼻腔にはりつけて、ゆっくり発音していただければ、全然難しいことはありません。
時間はかかるので、難なく何回も練習ができるような、体制づくりが、望まれるところです。⇒声の問題~よくある症例