聴覚フィードバックの大切さについてお伝えします。きこえの改善のため、自分の声をきく音読法があります。
自分の声が聞こえないと話せない~お客様の苦情
最近のデジタル補聴器の、性能の進化はめざましいものがあります。
ただし、装用される方の自声音(自分の声)を一番たくさん拾ってしまうために、苦情を伺うことがございます。
今まで聞こえなかった、ご本人のお声(音源)とその雑音を減らしていただく、研究をすることもあります。
大概は、補聴器のベント(耳穴型内部を通抜ける細いトンネル)を塩梅することで、解決するようです。お使いの補聴器を確認されてください。

また、補聴器なしのときには聞こえなかった、骨導音がきこえてしまいます。
「自分の声」が変わって聞こえるのはそのためと思われます。
骨導音をへらす試みも提案させていただいております。
下あごをあけたまま話をすることです、が、健康にもいい試みですし、緊急の問題でもありますね。挑戦をお願いいたしております。⇒声で変わる健康、口呼吸はこわい!
既に自分のお声の違いは、補聴器からすぐに確認できるのですから、ぜひブログの説明に従って、骨導音の響かない鼻腔・副鼻腔の息の声を試行錯誤されてくださいませ。
補聴器の適合測定
またさらに、補聴器の適合測定を必ずいたしております。
選んで買っていただいた補聴器が、ご本人に適合しているのか、CDテープの声を聞き取っていただくものになります。(店舗での簡易法による)
まだこの測定をされてない方は、ぜひご来店くださいませ。
このお店では、80%以上の理解の方が多いと思いますが、時には、60%理解の方もございます。購入後ご来店のない方も、残念ながら時々おられますが、おそらく、きこえに満足されているのではと、推測します。
そういうわけで、当店では、80%理解をめざし、ご一緒に脳トレをしていただくことをおすすめいたしております。
聴覚トレーニング

次に、脳トレによる聴覚トレーニングを少しご紹介します。
上図の本の中で、川島教授が、音読をすると、大脳の聴覚野まで刺激するので、認知症予防に良い、と書いておられます。
実際にこの本を使用して、聞こえがよくなった事例を発表されている論文もございました。
論文:いわゆる”脳トレーニング”によって語音明瞭度の改善した感音性難聴症例
それは、2005年7月時点、両側高度感音難聴の女性が、語音明瞭度右30%, 左20%であったのに、上記の脳トレを6ヵ月継続したら、右耳の語音明瞭度は、60%まで改善したというものでした。
この論文によって勇気づけられ、当店では、積極的に音読を奨励しております。⇒のどが疲れない音読法
お客様の中には、「聞こえがよくなるのと同時に、味覚や嗅覚ももどってきている、なにより、口がまわるようになった」とたいへんお喜びでした。口呼吸の改善で、聞こえはよくなるようですね。
【自分の声が聞こえないと話せない】~聴覚フィードバック
また、別の本で、聴覚フィードバックの大切さを知らされました。
重野純著「聴覚・ことば」
この中で、重野先生は、「音声の生成と知覚は互いに密接な関係にある」とし、ことばを正常に発せられなければ、ことばを聞き取ることは困難になる、と書かれております(聴覚フィードバック)。
付け加えて、私たちは、話そうとしている音声と、実際に話した音声とを比較して、それらが一致するように絶えず調整を行っているし、その作業は、ことばを聞き取る際にも、利用されている、とのことでした。
つまり、自分の声が自分に聞こえなければ、話せないということになるわけです。
実際に、お客様が、『根』と『目』を聞き分けることは、困難を極めておりますので、「NE」と「ME」の違いを区別しなければいけないでしょう。
音読をされているうちに、口がまわるようになり、『N』『M』の違いを使いわけるようになられてくるはずです。
あわせて、このブログの呼吸法により、鼻腔・副鼻腔に声を集めていただければ、眼、鼻、耳周りの血行がよくなることもわかっています。
それなりに時間はかかりそうですが、よいききとりのためにも、鼻腔・副鼻腔で発声する音読は、いい効果をもたらしてくれると思われます。



