鼻呼吸が体幹と自律神経に与える影響
(鼻呼吸/腹式呼吸の基礎)
即!鼻呼吸へ切り替える最大の利点は、横隔膜が主導する腹式呼吸への移行が起こりやすくなる点にあります。
鼻腔と副鼻腔に空気を満たし、その内圧を静かに保つと、胸郭の過度な上下動が抑えられ、下腹部のひきしめ又は広がりを先行させる呼吸パターンに切り替わります。
これにより体幹の安定が高まり、起床直後の立ちくらみや軽いふらつきのリスクが下がり安定します。
口呼吸に比べて鼻呼吸は空気が温められ加湿されるため、咽頭・喉頭の乾燥を防ぎ、声帯への機械的負担も減少します。
のどがかわかないです。息漏れはありますが、たくさん息を吐かずにすみ、忍耐力も養われそうです。
基本手順と鼻腔内圧の感覚
(鼻腔・副鼻腔の活用)
姿勢を整え、肩と首の力を抜いたら、舌を上あご(硬口蓋)にぴったり密着させます。
鼻から緩やかに吸って、鼻根(びこん/両目の間)から頬骨の内側にかけて(副鼻腔があるように)
表面的に、少し奥がふくらむような充満感を作ります。
あくまでも表面です。これが鼻腔・副鼻腔の内圧です。
目じりにしわがあったり、ほうれい線のある人は、しわにならないように意識してください。
骨と皮がくっついてしわができていると思いますので、はがしてください。
何かを思い浮かべながらすると、神経がそちらに向いて、器官の力みが取れて疲れません。
喉はリラックスしたまま、数秒その状態を保ちます。気道は動かさず、呼吸筋は動かすと良いです。
息が乏しくなったら声を出さずに、目を大きくしたり口を開けたりしてごく少量だけ吸い足し、
気道の大きな空気の入れ替えは避けます。
ローソクの炎を口元に想像したとき、炎がほとんど揺れないのが目安です。
軟口蓋のポジションと腹式呼吸の連動
(軟口蓋/横隔膜/共鳴)
腹式呼吸を確実に引き出すには、軟口蓋を(わずかでも)下ろして鼻腔から上咽頭への通気路を広げる意識が助けになります。
軟口蓋が下がると、空気は鼻腔からのどの手前までスムーズに届きます。
人によっては、上咽頭の奥に鈍い圧の手ごたえを感じるかもしれませんが奥の方はあまり意識しないこと。舌が上あごに触れ続けることで口側への息漏れが抑えられ、鼻腔・副鼻腔の内圧が安定します。
その結果、横隔膜が下がりやすく、下腹部の外向きの広がりが先に起こります。
顎は自由にいくらでも開く感じです。
舌を口腔内で立てる(縦にする)と背首が伸びて気持ち良いです。
下唇が自力でめくれるほど軟口蓋は下がると思います。
声を出しながらするともっとうまくゆきます。
軽いハミング(「ふふふふふ」)で鼻背(びはい/鼻筋)がよく響くときは、共鳴腔が適切に働いているサインです。
指を添えてみると指に声の圧力を感じられます。
セルフチェック
(姿勢/舌位/呼吸数)
うまくいっているときは、下腹部が先に広がり、胸の大振りな上下は目立ちません。
響きは鼻先ではなく、鼻や目のまわりから額の裏側にかけて感じ取れます。
が、骨の形は人それぞれですので、これに限りません。
胸だけが動く、肩が上がる、喉が乾く、といったサインが出る場合は、吸い込み過ぎ(過呼吸)を避け、小さな声(蚊の羽音)を鼻で練習します。
蚊の連続音が途切れた所で、微量に吸い足すとき、お腹(腹式呼吸)と鼻と目の間(鼻呼吸)に圧力があるのを確認できます。
舌が点ではなく面で硬口蓋に触れていると実感しやすいです。
首と肩の余分な緊張がないかも見直します。両脇が開いていると思います。
呼吸数は落ち着いた状態で一分あたり6~12回程度が目安です。
鼻呼吸の健康メリットと第一声への効果
(咳・痰/飛沫/声帯保護)
鼻呼吸は加湿・ろ過・温調の効果により、咳や痰の悪循環を断ちます。
鼻腔内圧が保たれると喉頭で無理にせき込まずに痰が切れます。
それで声帯の炎症やむくみを回避しやすくなります。
口呼吸より飛沫が少ないため、衛生面や感染症対策でも利点があります。
副鼻腔共鳴が活性化すると、声は少ない努力で明瞭かつ遠くへ届き、長時間の発声でも喉の負担が蓄積しにくくなります。
発声練習の前に短い鼻呼吸—ハミングを挟むだけでも、第一声、声の立ち上がりが安定するでしょう。
一日の中での実践法
(ルーティン化と汎用化)
朝はベッドの端に座って2~3呼吸だけ内圧を作り、その後に立ち上がります。
デスクワークや学習で集中が途切れ、浅い呼吸を感じたら三十秒だけ鼻呼吸の再設定を行います。
会議や講義、歌唱など声を使う前には、軽いハミングで鼻と目の周りの響きを確認してから本番に入ると、声の明瞭度と到達性が保たれます。
体調不良や強いめまいがある日は、必要に応じて医療・専門家の助言を受けてください。
小さな声の内圧の練習で回復することもあるので、臨機応変に!無理なく、静かに、少しずつ継続することが、鼻呼吸と腹式呼吸を身につける最短ルートになります。
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